菜園・畑の管理で境界線について気づく

菜園・畑を「所有する」のか「借りる」のか、そのポジションで考えることが変わってきます。

まず、所有できれば自由に野菜や果物など好きな使い方ができます。しかし、所有した者には管理する責任が発生します。境界線を考えたり、勝手に荒らされないように気を使いますし、コストもかかります。

私の近所の畑で、上手に野菜や花を栽培して見栄え良く管理していた人がいました。ある時、道路沿いに植えていた奇麗な花の苗を何者かに土ごと掘り起こされて盗まれてしまったようです。対策のため、境界線にロープを張ったり策をこしらえたりされていました。その分、畑の見栄えが以前よりも落ちてしまいました。

こんなトレードオフは私の畑でも起きました。スッキリ管理させたいと思って極力平たんに整備しておいたつもりが、逆に車や自転車などで横切る人たちが出てきたのです。こうなると、見た目が落ちても荒らされないように境界線に紐を張ったり、重いプランターなどを置いて対策をせざるを得なくなりました。

逆に市民農園など、借りる立場では責任が軽い半面、所有者との思いが合うかどうかなどの制約を受けます。

私が自分の畑で有機栽培法や自然栽培法的な雑草を生やして管理する方法を行うことは可能ですが、借りる場合はどうでしょうか。隣の区画の人とのバランス、草が生えていることのイメージ、慣行農法からかけ離れたやり方。いろいろと軋轢が生まれる可能性があります。事前に所有者と話し合って、その土地を借りる場合は、有機栽培や自然栽培的なアプローチで使ってよいかを確認する必要があります。

その確認をせずに有機・自然栽培を始めると、管理者や隣接者が良かれと思って除草剤をまいたり緑肥を刈りこんでしまったりすることもあります。みんな自分が「良いことをしている」という意識であることに注意が必要です。自分だけが正しいということではないのです。

さて、世界を見ると争いが絶えませんが、自分の主張だけを相手に押し付けても解決にはならないことを学ばされている側面があるように思います。

家庭菜園を本格的に行おうとすると、こんな向き合い方を考えさせられます。その場所の地域性や人々の考え方など、総合的に判断して立ち回りましょう。

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